ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破

序を観に行った子と今回も。
人がすっごいいっぱいで、こんな混む映画観たの久しぶりな気がします。。。
以下ネタばらしてます。



序の時も感じていたけれど、全員前向きになったり、余裕を持てるようになっていたり、つまり成長してるってことなのかなーって思いました。
テレビシリーズと劇場版をちょうど14歳ぐらいで見ていた自分からすると、その成長が嬉しい。
あの頃はシンジ君の臆病すぎるところとか卑屈なところにイライラして、レイやアスカを振り回す理不尽なものにもイライラして、大人にも勝手だなーとか思ったりして。それを振り返ってみれば、そういう閉じたところにその頃の自分がすごく惹かれていて、だからテレビシリーズも見て映画も見ていたわけで。


それから10年。
破のシンジ君は割と素直に喜怒哀楽を表現して、3人で協力し合う時に能動的な仕事を要求されてそれにレイ、アスカと連携しながらきちんと応える。これはテレビシリーズもそうだったけど3号機だったものを倒すことを命じられた時、「中にいるのはアスカだから戦いたくない」「アスカになら殺されていい」に続けて「中にアスカがいるのが分かっているのに戦うのはおかしい、戦わせる父さんがおかしい」と、殻に閉じこもるだけでなくなぜ嫌なのか、どうしたいのかを相手に伝えるようになってる。
ただしテレビシリーズの時はトウジが乗っていて、しかもそれを途中までは知らされていなかった様に記憶しているので、破の方が初めから「知っている人間が乗っているのでは」という不安があったのだろうけど。

で、そこで一度シンジ君は駄々をこねる。駄々っていうか、父親への抗議ですよね。まあ、あそこで「怒らせたらこんな建物木端微塵だ」と言いながら怒る割に「どうしてほしいか」を言わないから、ゲンドウに駄々とか言われちゃうんだろうけど。

そして拗ねる。拗ねるって言い方は軽いかもしれないけれど、アスカの事も聞かない、っていうのは拗ねてるんじゃなかろうか。そしてミサトさんの言葉もスルーして本当に出てしまう。でもその間もずっと悩んでいて、この辺はテレビシリーズの頃思い出してたんだけど、でもマリに見せられた惨状にぎょっとして、そこでゼロ号機が敗北して、あまつさえ食われるという姿を見たシンジ君は、逃げなかった。
逃げないで、駆け出す。爆風で飛ばされてもひるまない。駆けて駆けて、まだ許せない父親を前に「乗せてください」と頼み、「自分が初号機のパイロットです」と正面切って宣言する。

そっからはもう、グレンラガンとかソウルイーターとか観ているのかと思うぐらいの熱血っぷり。綾波を助けようと奮闘して、痛い思いをしても歯を食いしばって戦って、ようやく辿り着いた先で本人らしき声に「もうここでしか生きれない、助けてもらえない」と言われても動じない。助けられるって、助けるっていう強い意志で。
で、お約束だった「私が死んでも代わりはいるもの」、これをテレビシリーズの時は意味が分からずぽかんとしていたけれど、この場面でそう言われた時は「代わりなんていない。綾波綾波だ。綾波しかいない」と言いきって手を伸ばす。伸ばして伸ばして、そして「来い!」と叫ぶ。それに綾波は応えて、多分、無事使徒から生還できた。と思う。少なくとも、使徒と融合したままさよならじゃない。


何ていうか、アスカ以外でこんな熱い展開を見せられるとは思わなかったです。
多分今回のシンジ君は人からの好意を素直に受け止めるようになったんじゃないでしょうか。で、相手を信じ始めているし、信じているから自分の主張も意見も感情も積極的に表現していて。
恰好よくなってきてるなー、こりゃレイもアスカも惚れちゃうよねって気がします。


シンジ君が変わるように皆も変わっていて、皆素直になっている?
あとミサトさんがすごく素敵な大人でした。恰好良いなー。仕事の仕方が特に恰好良すぎる。ああいう大人になっていけるように頑張りたい。

アスカはテレビの頃より最初っから割とツンツンしているけれど、その分その虚勢が虚勢だと分かるから応援したくなるし、そしてミサトさんに素直に打ち明けるところは最高に可愛かったです。元々優しいから、そういうは皆にも伝わっていて、だからツンツンしてても皆一緒にお弁当食べるし、シンジ君も必死になるわけですよね。
なので、あの吸い込まれるように消えていくシーンで肝が冷えたし、アスカの物がプラスチックの箱に詰められたカットは泣いた。でも、予告編で笑顔前回のアスカが見られたので、ちょっと安心しました。多分大丈夫ですよね、むしろレイよりもずっと元気でいる確率が高い気がします。


レイは、もう、とにかく今回は人として幸せになってくれたらいいなーってすごく思います。料理を作ろうと奮闘して、怪我をした指について聞かれたときに「もう少し上手になったら教える」とはにかむ姿は普通に可愛いですし、自分の大好きな二人に仲良くなってもらいたい、とあれこれして、その過程でアスカとも歩み寄って、お礼も言って。
綾波が、パイロットを辞めるシンジ君を止めないのは「碇君がエヴァに乗らなくていいよにする」というところに現われていて、彼女なりに守ろうと必死だから。というのを日向先輩は分かってくれないわけです(そういう鈍感そうなところがいいと思います)。


どういう世界なのかはまだ分からないですし、展開も分からないけれど、あのエヴァから10年後のヱヴァは開いていってる前向きな作品になっているような気がします。



カヲル君の幸せにします宣言もあったしね!思わず噴いた。
あの「こんにちは、おとうさん」は「お義父さん」だったんだきっと、カヲル君の事だから、って思います。一緒に観ていた子曰く、「僕が幸せにするのでレイと二人きりになんてさせないぜ」という意思の表れがあの槍だそうです(笑)。

あと、真希波・マリ・イラストリアスは可愛かったです。終始軽くて、元気で、ピンチになっても「痛いけど楽しいからいいや」って笑うし、大分負担の重そうなビーストモードも「私も我慢するから、2号機も我慢してよね」程度であっさり解放しちゃうし。
ああいう軽さは観ていて気持ちが良かったです。年も3人のパイロットより上なのかな?って思います。

続きが気になるなー。