ボケ突っ込み

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

マレー鉄道の謎 (講談社文庫)

読了!!久々に読んだ作家アリスの新刊だったんですが、毎回残りページを気にしながら読んでしまう。勿体無くてついつい……。『白い兎が逃げる』と『スイス時計の謎』が多分作家アリスで読んでるものの中でも最近のほうだと思うんですが、長編って良いね!!読み応えが全然違います。短編のシンプルな形も大好きなのだけれど、よく考えたら作家アリスの長編ってすごい久しぶりじゃないかと。未単行本化の作品は全く手をつけていないせいもあるんだろう(年始年末に有栖川氏が口にする『砂男』も作家編の長編だろうな、と思い込んではいるんですが)。
で、その『マレー鉄道の謎』。密室トリック自体は正直に言うと、この手のトリックで一度本を壁に投げつけてやろうか、というトンデモなものを知っていたのでそのイメージが払拭できなかったのが個人的にとても哀しい。こっちを先に読む事が出来れば良かったのに……。ただ、事件そのものを解決するまでの鮮やかさは相変わらず綺麗。全てが理詰めというわけではないのに、火村先生の言葉がすんなりと嵌っていくこの感じ!たまらない!!
アリスと火村先生の掛け合いも相変わらずまったりしてて面白い。今回やたらと火村先生のセンスに否定的だったんですけど、まあ仕方ないよね!アリスも若干、歳の割に若者っぽい格好をしているとは思うんだけれど、三十半ばぐらいならそう言うのが普通に似合う人もいるしなぁ。大龍とのやり取りも楽しかったし、厚み以上に楽しんだ感があります。