地獄のオルフェ

ブギーポップ最新刊。新刊を読んだのは凄く久しぶりな気がしていたんですが、どうも1冊飛ばしてるっぽい。そして登場人物思い出せないなぁと一覧表とかを探していたら、ブギーポップシリーズ以外の本とも繋がっているみたいで、むしろ本筋の統和機構を知るには番外編の方がいいとかなんとか……でもそれは機会があればでいいと思っています。

バイト先で何度も見た表紙なんですが、絵柄が、一時期の濃い感じ*1から薄い感じになりましたよね。前回から?
話のほうはそうそうブギーポップってこういう雰囲気だったなぁと思いながら読み進める事1時間……後半は涙を堪えながら読んでいて、涙腺が弱くなったのかと。春だから情緒不安定とか、そういう事なのかも。
さておき話を戻して。私は神話に疎くて、オルフェウスの話もドラマでモチーフに使われていた部分だけを知っているぐらいです。だので、その関連性についてはよく分からないものの、振り返らずに走りきったところで幸せな展開が待っているわけではない、という事かなと。ブギーポップは特殊能力だ、強化人間だ、と不自然な存在に溢れた話であるけれど、基本的に生死に関しては不自然な展開は許さない、という世界だと考えている(基本的に、というのは水乃星の存在があるからなのだけど)。だから、死んだ妻を生き返らせるために例え過酷な試練をこなしたとしてもそれはやっぱり生命にとって不自然な事で、それを不寛容なブギーポップは、あるいは世界が許さなかったんだろうと思っています。
それから須磨貞夫は格好良かった。自他共に自信過剰で、その割に(須磨がそうありたくないと思っている)ごく普通の高校生であるという描写なのに、最後には全てを受け入れて尚冷静に立ち回り、けれど何一つ諦めることなく信念を貫き通してる。だからこそ、世界で唯一大切な彼を失うかもしれない状況において杉乃浦晴海も取り乱すことなくいられた、という展開にこっちも思わず涙を引っ込めました。
(途中)

*1:藤花ちゃんがすごい男前な顔してたときとか.